
| 飾らぬ眼差し 2025/12 B3 |
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| 水彩画クラブの人物画会で、最初この横顔を前にしたとき、ちょっと描きにくいなと思った。ポーズが平凡過ぎて華やかさがない。、そのうえ顔立ちも少しボーイッシュで女性らしく描きにくい。それでもどこかに惹かれるところがあるはずと思って筆をとった。探りながら描き進めるうちにふと気が付いた。飾らない服装、自然な髪型、無理のない姿勢——それらすべてが、無理して自分を飾ろうとしていないということだ。それは外面よりも内面を大切にする傾向、実直な個性の現れであろう。そう思うと彼女の眼差しにも女性らしさが感じられてきた。控えめな自然体が魅力なのだ。まあ、こういう等身大の彼女の姿が絵の中に滲み出ていれば言うことがないのだが、結果はこんな程度。まだまだ修業が足りない。 |