廃船(毛馬の閘門付近)

廃船(毛馬の閘門前にて)  2023/5 F8
水彩画クラブの毛馬閘門でのスケッチ会に参加。現地では真っ先にこの廃船に眼が止まった。第二閘門の元水路の船だまりに繋がれた感じが何とも侘しくて惹かれたのだ。スケッチ会終了後、淀川の堤に上がってみた。淀川大堰の周辺が大規模な河川工事の真っ最中だった。工事関係者に何の工事かと尋ねたところ、大堰の右岸側に閘門を造って船が本流を通って海に出られるようにする工事だと答えてくれた。そうか、そうなると新淀川を往来する船を入れた新景観が描けるようになるが、今の閘門は利用価値が下がって、大川を往来する船がわずかになり情緒がなくなるだろうなとか、この船だまりももっと寂れるだろうななどと勝手な想像を巡らしながら長い堤防を歩いて駐車場へ向かった。江戸時代に毛馬村に生まれた与謝蕪村の俳句「春風や堤長ごうして家通し」、そのものの気分だった。


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